アガーの代用品/ない時の代わりやゼラチンとの違い

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近年、お菓子作りを楽しむ方が増えていますが、これから暑くなる季節にぴったりなお菓子、ゼリーを作る際に凝固剤となる材料の1つに、アガーがあります。あまり聞きなれない材料かもしれませんが、アガーとはどのような材料なのでしょうか。
その使い方や代用できる材料について、ご紹介します。

目次

アガーとは

アガーとは、ゼリーやプリン、水ようかん等を作る際に凝固剤となる、白くて目の細かい粉末状の材料です。
植物性由来の原料で、ベジタリアンの方々にも選ばれています。

アガーの原材料

アガーは、紅藻類の海藻であるスギノリやツノマタから抽出される水溶性食物繊維の”カラギーナン”に、マメ科のカロブ樹の種子から抽出される多糖類の”ローカストビーンガム”を加えて、作られています。

アガーの特徴

アガーで作るゼリーは、ゼラチンや寒天など他の凝固剤に比べて透明度が著しく艶と光沢があり、優れた弾力性が特徴です。
そして、アガー自体は無味無臭ですので、一緒に使う素材の味や香りを活かすことができます。

また、アガーは30~40℃位で固まり常温でも溶けませんので、夏場でも常温で持ち運ぶことが可能です。

アガーを使う時の注意点

アガーを溶かす際は、80~90℃位の中火で、粉っぽさが残らないように、よくかき混ぜて溶かします。
但し、沸騰したまま長く火にかけてしまうと固まりにくくなりますので、必ず沸騰する直前で火を止めます。

また、アガーは低温で混ぜると溶けにくく、ダマ(粒状のかたまり)ができてしまい、固まりにくくなります。
一度ダマになってしまうと再加熱しても元には戻りません。

そのため、以下の3点に気を付けましょう。

  • アガーは糖分と結びついて固まりやすくなる性質があります。先に砂糖などの糖分としっかり混ぜ合わせてから液体に溶かしましょう。
    (糖分を使わない場合は、液体をよくかき混ぜながら、アガーを少しずつ加えて溶かしていきましょう)
  • 溶かしたアガーに加える場合も、ジュース等の液体は先にレンジで30℃位まで温めてから混ぜ合わせましょう。
  • レモン果汁等の柑橘系やワインといった酸性の材料は、アガーと一緒に煮立ててしまうと固まりません。
    80℃位まで予め温めておいて少しずつアガーを加え溶かしていく、あるいは先に溶かしたアガーに酸性の材料をゆっくり合わせましょう。

また、固まり始めたところで揺らしてしまうと固まらない原因となりますので、完全に固まるまでは動かさないことも注意が必要です。

アガーの代わりになるもの

アガーは大きなスーパー等で購入することができますが、すぐに入手できない場合、どのような材料で代用できるでしょうか。

アガーをゼラチンで代用

ゼラチンは製菓コーナーで必ず目にする、一番手に入れやすい材料ですね。
ゼリーやプリンの材料としてよく使われていますし、アガーの代用に最適です。

ゼラチンの原料は、主に牛や豚の骨、腱などに含まれるタンパク質の一種、コラーゲンです。

ゼラチンで作ったゼリーの色は薄く黄色がかっていて、食感はぷるぷるふわふわしていて、体温ぐらいの温度で溶けるため、くちどけが良いのが特徴です。

寒天でアガーの代用

寒天はスーパーの乾物コーナーで購入できます。
スーパーでもよく見かけるゼリーはもちろん、水ようかんや杏仁豆腐などでの代用にも向いています。

寒天の原料はアガーと同じ紅藻類の海藻ですが、寒天の種類によって異なり、棒寒天や糸寒天の原料はテングサ、粉寒天の原料はオゴノリという海藻です。食物繊維が豊富で、ヘルシーな材料です。
お酢や黒蜜をかけて食べる“ところてん”は、テングサを煮詰めて作られたものですが、その“ところてん”を凍らせて乾燥させたものが棒寒天、糸寒天です。

寒天が凝固する温度は40~50℃で、アガーと同じく常温に置いておいても溶けません。

寒天はアガーより凝固力が強く、歯切れのよい食感で、仕上がりはアガーの食感とは異なります。
また、透明感はありませんので、合わせる素材の色や形を見せるようなゼリーには向いていません。

・寒天はアガーと同じく、酸性の強い素材と合わせると固まりません。
 寒天が完全に溶かした後、粗熱をとってから酸味のある素材と合わせましょう。

・砂糖などの調味料や牛乳などで味付けする場合は、水を沸騰させて完全に寒天が溶けたことを確認してから合わせましょう。(寒天は90~100℃で溶けます)

葛粉でアガーの代用

葛粉は植物の”葛”が原料で、葛の根を煮詰めて沈殿したデンプンを乾燥させて作られています。
主に、くずきりや、わらび餅の材料に使われていて、もちっとした食感の和菓子やプリンなどでの代用に向いています。

加熱しているときは透明ですが、冷やすと白くなりますので、素材の形を見せるゼリーには向きません。

作り方は、他の材料と一緒に鍋に入れて、弱火で焦げ付かないようにゴムベラ等でよくかき混ぜながら温めます。
葛粉はデンプンですので水に溶けませんが、55℃位でデンプンが水分を吸収して糊化します。
糊化した後、長時間練り続けると粘りがなくなってしまいますので、艶が出て透明になったところで火を止めて、型に入れます。

粗熱が取れてから冷蔵庫で冷やしますが、長時間冷やしすぎると食感が悪くなってしまいますので、食べる前に冷やしてから食べるのが良いでしょう。

マシュマロでアガーの代用

マシュマロの材料にはゼラチンが含まれていますので、溶かしてアガーの代用として、ゼリーを作ることができます。

作り方は、マシュマロと水やジュース等の液体を鍋に入れて、よくかき混ぜながら弱火にかけてマシュマロを溶かします。(もしくは、耐熱皿にマシュマロと水を入れて温めてから、かき混ぜてもマシュマロを簡単に溶かすことができます)

マシュマロが完全に溶けたら他の素材と合わせて型に入れ、粗熱がとれてから冷蔵庫で冷やすと、ゼリーの完成です。

マシュマロにはすでに砂糖が入っていますので、アガーで作るお菓子のレシピに書かれた甘味の材料の分量は減らして調整すると良いでしょう。

片栗粉でアガーの代用

料理でとろみをつけたいとき等に使用する片栗粉は、家に常備されている方も多いのではないでしょうか。
アガーで作ったゼリーと見た目や食感は異なりますが、片栗粉でもゼリーを作ることができます。

作り方は、他の材料と片栗粉を一緒に鍋に入れて温め、ダマにならないように、よくかき混ぜながら片栗粉を溶かします。
しっかりとろみがついたら火を止めて、型に入れ、粗熱が取れてから冷蔵庫に入れて冷やし固めます。

アガーとゼラチンの違い

先程の代用品で最初に挙げたゼラチンについて、もう少し詳しくご紹介しましょう。

アガーとゼラチンの違いは主に下記の4点が挙げられます。

  • 原材料
    • アガーは海藻で食物繊維と糖質、ゼラチンは牛豚のコラーゲンで動物性タンパク質です。
  • 仕上がりの色
    • アガーは無色透明のゼリーに、ゼラチンは透明感のある薄い黄色のゼリーに仕上がります。
  • 食感
    • どちらも口溶けよく柔らかく仕上がりますが、ゼラチンの方が弾力性があり、アガーはほろりと崩れるような食感です。
  • 凝固温度
    • アガーは30~40℃の常温で凝固しますが、ゼラチンは20℃以下でないと凝固しませんので冷蔵庫に入れて固めます。

アガーをゼラチンで代用する方法

先述の通り、アガーをゼラチンで代用できますが、代用する際には分量の調整が必要です。

一般的に、アガーは液体の全体量の1~2%程度の分量(酸味のないゼリーは1.3~1.5%、酸味のあるゼリーは2%)を、ゼラチンは液体の全体量の2~3%程度の分量を入れます。

アガーはゼラチンに比べると固めの食感ですので、アガーの代わりにゼラチンを使う場合には、ゼラチンの量をアガーのレシピの分量よりも多くします。
反対に、ゼラチンの代わりにアガーを使う場合には、アガーの量をゼラチンのレシピの分量より少なくします。

アガーの代わりにゼラチンを使用する場合には、レシピのアガーの分量の1.2倍のゼラチンを使用すると良いでしょう。

ゼラチンには粉末状のものと板状のものがありますが、板状のゼラチンの方がより透明度が高く、滑らかな口当たりになりますので、アガーのゼリーに近い仕上がりになります。

粉末状のゼラチンは水に溶かして、板状のゼラチンは水でふやかしてから使用します。

注意点

アガーをゼラチンで代用する時に注意すべき点が4点あります。

・・レシピによっては、ゼラチンの匂いを感じることがあります

ジュースやシロップなど他の材料も合わせる場合には、あまり気になりませんが、水とアガーのみ、のようなシンプルなレシピをゼラチンで代用する時は、ゼラチンの獣臭のような独特の匂いを感じることがあります。

・使用する材料によっては、固まりにくくなります

キウイやパイナップルなどの“タンパク質分解酵素”を含む材料は、ゼラチンをばらばらに分解する働きがありますので、アガーをゼラチンで代用する時の材料に選ぶと、固まりにくくなります。

・常温での持ち運びに向きません

アガーは一度固めると50~80℃以上にならないと再び溶けることはありませんが、ゼラチンは25℃以上になると溶けだしますので、アガーをゼラチンで代用する場合、特に夏場の持ち運びには不向きです。

・冷凍ができません

アガーで作ったお菓子は冷凍可能で、解凍しても離水が少なく食感もあまり変わりませんが、ゼラチンで作ったお菓子は解凍すると水が出てしまい、食感も変わって美味しく食べることができません。
アガーをゼラチンで代用する場合には、冷凍せず冷蔵庫で保管しましょう。

作るお菓子の種類によって、アガーとゼラチンを使い分けると良いですね。

アガーがない時の代わりやゼラチンとの違いまとめ

アガーの代用に適した材料は、ゼラチン、寒天、葛粉、マシュマロ、片栗粉の5点があります。

一番手軽に代用できるゼラチンは分量を調整して代用ができますが、4点の注意点があります。

  • シンプルなレシピをゼラチンで代用する場合は、ゼラチンの匂いを感じることがあります
  • タンパク質分解酵素を含む材料を使用する場合は、ゼラチンが固まりにくくなります
  • ゼラチンで代用したお菓子は、特に夏場は常温での持ち運びには向きません
  • ゼラチンで代用したお菓子は、冷凍できません

これから益々暑くなる季節に、涼し気なお菓子作りはいかがでしょうか。
アガーやゼラチン、その他ご紹介した代用できる材料でも、ぜひお菓子作りを楽しまれてください。




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