おうち時間に人気のガーデニング。庭がなくても、植木鉢やプランターで気軽に始めることができます。その植木鉢やプランターに植物を植え付ける際、鉢底石を使用するのが一般的ですが、もしも手元に鉢底石が無い場合、どのようなもので代用できるでしょうか。
鉢底石とは
鉢底石(はちぞこいし)はその名の通り、植木鉢やプランターの底に敷き詰めて使う石です。
園芸店やホームセンターの他、100円ショップでも購入できますし、Amazon等の通販サイトでも購入できます。
鉢底石の使い方
植物を植える際、まず鉢やプランターの底に鉢底ネットを置いて、その上に鉢底石を敷き、それから培養土を入れて植物を植えこむ方法が一般的です。
使う鉢底石の量は植える植物によって変わりますが、通常の植物だと容器の1/5ほどの高さまで、洋ランなど水はけが大切な植物の場合は容器の1/3ほどの高さまで入れます。
鉢底石の素材
素材は主に軽石や黒曜石などですが、木炭や竹炭でできているものもあります。
排水性、通気性がよく多孔質(小さな穴が沢山あいている)の素材が鉢底石に適しています。
鉢底石の役割
鉢底石は鉢内の水はけを良くして空気を中に取り込み、植物の根腐れを予防する効果がある他、鉢底の穴から土が流出するのを防ぐ役割もします。
また保水性もあり、土が乾燥しすぎて根が傷むのを防いでくれます。
では、このような鉢底石の性質を兼ね備える代用品には、どのようなものがあるでしょうか。
早速ご紹介していきましょう。
鉢底石の代わりになるもの
空気が通りやすい小石大ぐらいの大きさで水をしっかり逃がす素材、それでいて素材自体は保水性のあるものが代用品に向いています。
発砲スチロールで鉢底石の代用
大きな発砲スチロールは1~3cm位の大きさに砕いて、まゆ玉状やピーナッツ状のバラ緩衝材はそのまま使えます。
何より軽いので、大きな鉢に使っても持ち運びしやすいのが利点です。
特に洋ラン類の植え付けには、支柱を刺すこともでき、植え込み材料の水苔と絡みやすく風通しも良いので、発砲スチロールがよく使われます。
発砲スチロールは細かく砕けて土と混ざりやすく、そのまま使用すると分別が困難なので、
水切りネットに入れてホッチキス等で留めて使うと、最終的に処分する際に便利です。
コルク栓で鉢底石の代用
普段ワインを愛飲されている場合は、飲み終わったワインのコルクも代用できます。
大きな鉢の場合はそのまま、鉢の大きさによっては適当な厚さにカットして使うと良いでしょう。
コルク栓もとても軽いので沢山入れても持ち運びが楽なのが利点です。
コルク栓をカットする場合は、カッターナイフよりも包丁の方が切りやすいです。
※ 手指の怪我にはくれぐれもお気を付けください。
包丁でも切りづらい場合は、鍋でコルク栓を煮ると切りやすくなります。
ヤシガラチップ、バークチップなどのマルチング材で鉢底石の代用
マルチング材とは、植えた植物の地表面を覆い、土の乾燥や土が硬くなるのを防いだり、病害虫を防ぐ園芸用品です。
ヤシガラチップはヤシの殻の部分をカットしたもので、バークチップは木の樹皮のみを粉砕したもの(主に赤松、黒松)、
いずれもホームセンターや園芸店、通販サイトで購入できます。
排水性、通気性に優れていて、とても軽い素材です。
バークチップによく似た素材で、木を丸ごと粉砕したウッドチップがあります。
購入価格はバークチップよりウッドチップの方が安いので購入しやすいのですが、木の柔らかい部分を使っているため朽ちやすく、バークチップほど長持ちはしません。
鉢底ってどうなってるのかな…と改めて見たら、鉢底石がない状態で根づまり。そのまま飾ってると弱るやつ…。プラ鉢が柔らかかったのでハサミで穴を広げてスリット鉢にして鉢底石の代わりにバークチップを入れ、ベラボンを詰めてとりあえず応急処置。ひと回り大きな鉢に植え替えるのは来春に。 pic.twitter.com/ByexYMIju2
— あこ (@ruriiro99) November 20, 2021
木炭や竹炭で鉢底石の代用
部屋の消臭や冷蔵庫や靴箱などの消臭に炭を使っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
木炭や竹炭は消臭効果だけでなく、保水性、透水性が高く、乾いた土は潤い、粘土質の土は水はけが良くなります。
加えて、通気性もあり、ナメクジなどの害虫予防やカビ菌予防など清浄効果もあります。
また炭は中性~アルカリ性で、アルカリ性の高い炭は酸性土壌の中和にも役立ちます。
キャンプ、バーベキュー用で購入したものの使わずに余った木炭や、油などで汚れていなければ使用後の消し炭も使えます。
大きい場合は砕いてから入れましょう。
鉢底石の代用、化粧石に竹炭 https://t.co/ymInC9aVyS pic.twitter.com/5kIMNuyca7
— アース国産自然工房 (@ecotakepanda) May 19, 2016
割れた植木鉢、瓦、陶器のかけらで鉢底石の代用
割れてしまった植木鉢や瓦、陶器をそのまま捨てるのはもったいない!
金づちで砕いて、鉢底石の代わりに使うことができます。
ただし、植木鉢や瓦は他の代用品に比べて重いため、小さな鉢で使用するか、入れすぎないのがコツです。
金づちで砕く際は、ゴーグルで目を覆ったり、軍手で手を保護するなど、怪我をしないように気を付けましょう。
また、砕いた後の破片も鋭利ですので、手指など怪我をしないように取り扱いに注意しましょう。
畑から植木鉢を発掘💪
— 青柳 かえる (@oqgfG50d9ikDWSv) May 1, 2020
草に埋まってると何が出てくるのか分からない😅
ほとんど割れてないし使えそうなのでありがたく利用させてもらいます。
割れてしまっている素焼き鉢だって更に細かく割って鉢底石の代わりに使えば素焼きの陶器は水分調整してくれるので根の生育にいいんですよ。無駄にしません pic.twitter.com/qQrHog8hrP
砂利や小石で鉢底石の代用
1~3cm程度の大きさの砂利や小石も鉢底石に代用できます。
特に、表面がざらざらとしていて細かい穴がある石は肥料成分を保持する性質が高く、植物の成長を促す効果も!
拾い集めた石はきれいに洗ってから使いましょう。
ただし、砂利や石も他の代用品に比べると重量がありますので、持ち運びする際は落としたりして怪我をしないように
気を付けてくださいね。
『さあ、のっけから鉢底石と鉢底ネットのサイズの合うものが無いことに気付きました』
— 編集まそ (@henshumaso) May 15, 2021
『普通の砂利と小さいネットで代用するつもりのようです。どうですかこの展開?』
『これは大胆な作戦!予想外の展開です!』 pic.twitter.com/qSpjb5qquW
貝殻や鶏肉などの骨で鉢底石の代用
食べ終わった後の貝殻やお肉の骨を再利用してみませんか。
市販されている鉢底石にも貝殻が入っているものがあります。
貝殻や骨のカルシウム、マグネシウムが、植物の育成を阻害する過剰なアンモニウム性窒素やリンを吸着して、土壌を浄化してくれます。
綺麗に洗って、グリルなどで焼いて乾燥させてから使いましょう。
先ずは、鉢底にしじみの殻を敷き詰めました。→以前ベランダ栽培に挑戦した時に何かで見たのです。貝殻を鉢底石の代わりに使うと良いと。確かに、それなりの強度もありますし殻からのカルシウムの浸出も期待出来ますよね?^ ^ pic.twitter.com/74XuEwEq5X
— snowlady (@ladyofsnow) June 29, 2021
くるみの殻で鉢底石の代用
くるみの殻はマルチング材として利用されることも多いですが、鉢底石としても使うことができます。
ただし、実が残っているとそこからカビが発生することもありますので、実はしっかり取って乾燥させてから使いましょう。
今日はほとんど、くるみ割りに・・時間をとられてしまった。
— しまねこ ★減塩生活中 (@3110shimaneko) November 9, 2016
動脈硬化予防に、こまめにナッツ類を摂取しましょう。
クルミの殻
鉢の底石やバークチップに使ってます。 pic.twitter.com/OgVuQ1n0NC
ペットボトルの蓋で鉢底石の代用
飲み終わったペットボトルの蓋も捨てずに再利用できます。
鉢底石とネット買い忘れて、買いに行くのめんどくさいから三角コーナーネットと捨てるの忘れてたペットボトルの蓋で代替えしてるの、まじでズボラの重ね塗り。 pic.twitter.com/SpLPkZLbMX
— おこちゃん🏳️🌈 (@mashu_lake) May 31, 2020
我が家では
— 霞-KASUMI- (@SUOU864845) August 27, 2019
植物の鉢底石代わりに
ペットボトルの蓋を使っている
おばーちゃんの豆知識っっ!!
٩( ”ω” )و#円頓寺商店街盆踊り大会 #阿呆な話
ハイドロボールで鉢底石の代用
ハイドロボールは水耕栽培で使用される人工土ですが、鉢底石の代わりに使うこともできます。
園芸店やホームセンター、100円ショップの他、通販サイトで購入できます。
粘土質の水成岩を1200℃以上で焼成して作られた石で、中に沢山の小さな穴があり、通気性、保水性、保肥性に優れていて、熱焼成なので雑菌もついていません。軽くて衛生的な代用品です。
綺麗に水洗浄して、天日干しでしっかり乾かせば、再利用も可能です。
3号のポットから5号の植木鉢に植え替え❗️
— かすみ@家庭菜園ライフ (@kasumi_2D) June 28, 2021
へにゃ…としてるので割り箸で支柱を仮設😉✨
土は花と野菜用の培養土に鹿沼土をミックス!鉢底石には大きめのハイドロボールを使いました🥺
根っこが詰まり気味だったから少しほぐしたのが吉と出るかどうか…
今日は水をたっぷりあげて日陰に…#ユーカリ pic.twitter.com/BPQZMxSwnD
条件付きで鉢底石の代わりになるもの
大粒の赤玉土や鹿沼土で鉢底石の代用
大粒の赤玉土、鹿沼土ともに通気性、排水性、保水性、保肥性が高く、鉢底石の役割を果たします。
園芸店やホームセンター、通販サイトで購入可能です。
しかし、赤玉土は比較的潰れやすく、粉状になると目詰まりを起こして排水性と通気性が悪くなってしまいますので、長期間の使用には向きません。
また、鹿沼土は赤玉土に比べると潰れにくいのですが、酸性の土なので、酸性を好む植物(ツツジやサツキ、ブルーベリー等)以外では生育が悪くなる可能性があり、育てる植物や使用期間など気を付ける必要があります。
ほぐした麻紐で鉢底石の代用
荷造りや植物の誘引にも使う麻紐も、ほぐしてふわふわにして鉢底に敷くと鉢底石の代わりになります。
麻は二酸化炭素を多く吸収し、根を張った土壌の改良をしてくれます。
ただし、いずれは分解されて土にかえる素材なので、麻紐も長期間の使用には向きません。
鉢底石の代用にならないものとその理由
ここまで鉢底石の代用品にできるものを紹介してきましたが、保水性が高すぎる以下の素材は根腐れを促してしまうので、
代用には向きません。
柔らかいスポンジ
皿洗いなどで使用する柔らかくて厚みのあるスポンジは、水がとどまったままになり、鉢の底を常に湿った状態にしてしまうので根腐れの原因になります。
ダンボールや新聞紙などの紙類
水を含むと著しく劣化してしまう上に、排水性がないので根腐れの原因となります。
鉢底石が必要ない場合
鉢底石の代用品を色々とご紹介しましたが、土の中の通気性と、排水性と保水性のバランスが保たれていれば、以下のように鉢底石を使わなくても良い場合があります。
鉢底石の機能がついた培養土を使用する場合
赤玉土や鹿沼土、パーライトなど、排水性と保水性のバランスが良い土は、鉢底石は必要ありません。
また、洋ランや多肉など特に水はけが重要な観葉植物は、鉢底石の性質を持つ専用の土も販売されています。
ただし、ずっと同じ土のままでは排水性が悪くなってしまいますので、数年に一度、新しい土で植え替えることで、根腐れを予防できます。
素焼き鉢を使用する場合
素焼き鉢は、粘土に釉薬をかけずに700~900℃で焼き上げた鉢で、表面には目に見えない小さな穴が沢山あいています。
鉢自体に高い通気性、吸水性、排水性がありますので、鉢底石を必要としません。
スリット鉢を使用する場合
スリット鉢は底から側面まで切れ目があり、水はけが良く、自然と同じような根の生長ができる設計で、長期間、植え替えせずに育てることができます。
スリットから余分な水が外に出ますので、根腐れを防ぎ、新鮮な酸素をとりこむことができます。
またスリットから根が出ると太陽の光や空気があたって、その根の生長が止まり、鉢の中央に根を伸ばすので、根詰まりするのを防ぎます。
鉢底石を敷いてしまうと、根の生長を止めるスリットをふさいでしまうため、スリット鉢では鉢底石は使いません。
鉢やプランターが小さい場合
小さな鉢やプランターは、鉢底石を入れることにより入れられる培養土の量が少なくなるので、鉢底石を入れない方が生育がよいこともあります。
土が少ないとしっかり根を張れず、植物の育ちが悪くなりますので、鉢底石は使わない方が良いでしょう。
ハンギングバスケットなど排水性が良い環境の場合
ハンギングバスケットは、かご状の鉢に寄せ植えして、壁やフェンスに掛けたり、つるして楽しむものです。
空中につるすので排水性がかなり良く、風通しも良いです。
また、入れられる土の量が少ないところに沢山植物を植えこむことが多いので、少しでも培養土の量を増やすためにも鉢底石は必要ありません。
エアプランツなど乾燥に強い場合
エアプランツは空気中のわずかな水分を葉から吸収して成長する植物で、乾燥に強く、土のない場所で生息することができます。そのため、鉢底石は必要ありません。
まとめ
鉢底石は通気性や排水性をよくするための石です。
鉢底石と同じ性質を持つ以下のものを使って、代用することができます。
- 発砲スチロール
- コルク栓
- ヤシガラチップやバークチップなどのマルチング材
- 木炭や竹炭
- 割れた植木鉢、瓦、陶器のかけら
- 砂利や小石
- 貝殻や鶏肉などの骨
- くるみの殻
- ペットボトルの蓋
- ハイドロボール
- 大玉の赤玉土、鹿沼土(長期間は向きません)
- ほぐした麻紐(長期間は向きません)
保水性が高い以下の素材は鉢底石の代用には向きません。
- 柔らかいスポンジ
- ダンボールや新聞紙などの紙類
土の中の通気性、排水性と保水性のバランスが保たれていれば、使用する土や鉢、植物によっては鉢底石は必要ありません。